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薬剤耐性結核(DR-TB)の診断・治療の改善を求める「結核マニフェスト」キャンペーンにご支援を賜りましたすべてのみなさまに御礼申し上げます。皆さまのご署名は、よりよい診断・治療法と、この病気に苦しむ人びとへの資金援助の拡大に向けた大きな力となっています。

結核マニフェストを、スイスで開かれた世界保健機関(WHO)の年次総会に集まった保健衛生の指導者たちに提出したことは、DR-TB対策の一歩にすぎません。

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結核マニフェスト
A Drug-Resistant TB Manifesto

薬剤耐性結核の治療環境の早期改善に向け、「結核マニフェスト」の実現を求めます!

私たちDR-TB 患者は、世界中にいます。

ほとんどの人は、劣悪な環境で生活していてDR-TBから身を守れず、感染してしまいました。診断を受けなければ、DR-TBはさらに拡大していきます。治療しなければ、命が失われます。しかし、私たちの国で迅速で的確な診断を望むことは非常に困難です。現実に、有効なDR-TB治療を受けているのは、患者の5人に1人です。

" 運よく" 治療を受けられる仲間も、2年間に及ぶ苦難の道を歩まなければなりません。最も多いときで1日に20錠の薬を服用します。治療初期の8ヵ月間は、毎日1本、痛みを伴う注射を打たれます。座っていることも、ときには横たわっていることさえつらくなります。また、吐き気、身体の痛み、発疹などの副作用が起きることも多く、それは病気そのものよりもつらい体験です。また、多くの人が聴力を失い、中には重度の精神疾患がみられる人もいます。

DR-TBにかかり、生活も激変してしまいました。働くことも、愛する家族の世話も、学校に通うこともできません。偏見や社会からの疎外に遭うこともしばしばです。

そんなつらい治療を乗り越えること。それ自体が大きな挑戦です。挫折する人も多いのですが、生きるためには、他に選択肢はありません。勇気と強い意志を持ち、治るのだという希望を抱き続けることが求められます。そのためには、医療スタッフ、家族、友人の支えも必要です。

そのようにして支援を得ても、既存の薬剤療法での治療に成功する人は半数に過ぎません。これはつまり、治療のかいなく命を落とし、本マニフェストに署名することもできなかった多くの人びとがいる、ということなのです。本マニフェストで掲げる私たちの要求は、そんな人びとを偲びながら、取りまとめられたものです。

私たち医療スタッフは、DR-TB 患者に医療を提供しています。

しかし、最善の治療法が人びとに大きな苦しみを与えている現状を容認できません。完治する可能性が低いとなれば、なおさらです。現状では、効き目が限定的な毒性のある薬を組み合わせ、深刻な副作用への対処に尽力するしかありません。また、制約の多い条件下で、可能な限りのサポートやカウンセリングを行うしかないのです。

感染拡大が続けば、DR-TBへの対応はますます困難になります。治療期間はあまりにも長く、毒性はあまりにも強く、コストはあまりにも高い。1人あたりの薬剤費用だけで、少なくとも4000ドル(約39万円)もかかります。私たちの望みは、現在よりもはるかに多くの命を救うことです。そのためには、治療の短期化と安全性・効果の向上が不可欠です。

私たち、本マニフェスト末尾に署名したDR-TB患者と治療関係者は、世界各地で生活する私たち、家族、そして社会に、DR-TBが著しい被害をもたらしていることについて警鐘を鳴らし、以下の3ヵ条の要望を行うものです。

1) 私たちはDR-TB診断・治療の普及を求めます。

  • 各国政府は、すべてのDR-TB 患者が診断・治療を受けられるように、国家規模の治療プログラムの実行を求めます。
  • 迅速で信頼性の高い診断技術を普及させ、できる限り早期のDR-TB 発見・治療開始につなげることを求めます。それにより、完治の可能性を高め、周囲への感染拡大のリスクを抑制することを求めます。
  • 対象となる人びとの生活・就労環境に近い場所での治療・予防策を実践することを求めます。それにより、感染拡大のリスクと治療効果の減退を回避しつつ、家族や周囲の人びとを継続的に支援できるようにすることを求めます。
  • 必要な治療や予防が確実に受けられるように、私たちの身近な人びと、特に子どもに定期的な結核検査を提供することを求めます。必要が生じた際には、遠方の専門病院ではなく、自宅近くで治療が受けられるようにすることを求めます。
  • 私たち署名者やその家族は、十分なカウンセリングを通じた教育と支援を受け、治療に関連する意思決定にも積極的に参加することを求めます。
  • 医療スタッフは地域の1次医療レベルでの結核プログラムでDR-TBへの対応を学び、可能な限り大勢が、可能な限り自宅近くで、検査と治療、治療の継続ができる環境を築くことを求めます。

2) 私たちは治療法の向上を求めます。研究機関や製薬企業など結核の研究を行っている業界が、効果が高くて患者への負担が少なく、治療期間が短期間で費用の安いDR-TB 薬剤療法を、できるだけ早期に実用化させることを望みます。

  • 新しい抗結核薬が2種類、2013年中に実用化される見込みです。また、そのほかの薬も開発中です。これを好機ととらえ、世界の結核関係者が、DR-TBの治療法の向上を急いで下さい。
  • 治療効果と生存率を高め、私たちが耐えてきたような重い副作用を緩和したDR-TB薬剤療法を実用化して下さい。
  • 私たちの命を最長2年も拘束するのではなく、大幅に短期化した治療法を実用化して下さい。
  • 錠剤の数も少なく、痛い注射を毎日する必要もない負担の軽い治療を実用化して下さい。
  • 子どものDR-TB患者でも服用しやすい、液状や小さな錠剤といった形態の新薬を実用化して下さい。
  • HIV治療薬と反応せず、二重感染を効果的に治療できるDR-TB治療薬を実用化して下さい
  • 既存および新規開発のDR-TB治療薬を、結核の高まん延国に手ごろな価格で提供し、重い結核にかかった人びとが有効な治療を確実に受けられるように行動する製薬企業が必要です。

3) 私たちはDR-TB治療の普及を促す資金援助の拡大と、治療法向上のための研究・開発支援を求めます。

  • 資金援助国・機関とまん延国の政府は、DR-TBの診断・治療を最優先とし、国家プログラム、2国間援助プログラム、また、世界エイズ・結核・マラリア対策基金(世界基金)のような多国間プログラムを通じて、財政面での支援を行うことを求めます。
  • DR-TB治療に特化した新薬を開発することを求めます。また、さまざまな薬剤耐性に対応するため、新薬および既存薬の併用に関する研究を継続することを求めます。
  • 有効で安全な新薬だけでなく、簡便かつ正確で低コストの診断方法や、結核の感染拡大を防ぐワクチンの研究開発に、資金投入がなされることを求めます。

私たちは患者および医療提供者の立場から以下の事項に注力します

  • 互いに結核検査と治療、そして治療の継続を促す
  • 身近な人を結核感染から守る
  • 自国政府の役割を果たし、この問題へ対処することを求める
  • 私たちの経験を伝え、結核の周知を高め、社会的偏見を解消する

患者と医師の願いから

「結核マニフェスト」は、現在の診断・治療に不都合を感じていた患者と医療スタッフの手によって作成されました。DR-TBは、治療を受けなければ命を落とします。一方、治療期間は2年ほどかかり、重い副作用がでることもあります。治癒率はわずか50%です。

南アフリカ出身の超薬剤耐性結核(XDR-TB)患者だったフメザ・ティジールさんとMSFのジェニー・ヒューズ担当医は、何か行動を起こすべきだと考えました。そのアイデアはMSF内で支持を集め、「結核マニフェスト」となり、世界中の皆さまに後押しをお願いする活動へと発展しました。

その後どうなったの?

「結核マニフェスト」と世界中から集まった署名を手に、 2014年5月19日、フメザさんは世界保健機関(WHO)の年次総会に出席。結核対策の20ヵ年計画を採択するこの場で、結核マニフェストを提出し、国際社会が確固たる対応を取るべきだと訴えました。

働きかけはこれで終わり?

いいえ! DR-TBの診断・治療法の大幅な改善が、患者の生存率に反映されるまではやめません。 私たちは署名してくださった皆さまに、公式ウェブサイト、SNS、メールマガジンなどを通じて、今後も結核に関する活動ニュースをお伝えしていきます。

私たちも署名しました――MSFの患者と医師

  • ミャンマー

    ソー・ナインさんとアウン医師

    ソー・ナインさんが多剤耐性結核(MDR-TB)と診断されたのは2012年10月。現在はヤンゴンでMSFの治療を受けています。ピエ・ピョー・アウン医師(右)の綿密な経過観察を受けながら、6種類の薬の合剤を飲み続けています。

    ロシア

    サイド=フセイン・サーデュラエフさんとデブコタ医師

    サイド=フセイン・サーデュラエフさんはロシア連邦チェチェン共和国の出身。多剤耐性結核(MDR-TB)と診断されたのは2012年8月です。担当医はネパール人のサティシュ・チャンドラ・デブコタ医師。彼は薬剤耐性結核の専門医で、2010年からMSFのプログラムに携わっています。

    南アフリカ共和国

    フメザ・ティジールさんとヒューズ医師

    南アフリカのケープタウン市カエリチャ地区出身のフメザ・ティジールさんは、2010年に多剤耐性結核(MDR-TB)と診断されました。治療の副作用で聴覚障害があらわれ、検査を続けた結果、最も症状が重い超薬剤耐性結核(XDR-TB)だと判明。それでも諦めずに治療を続け、2013年9月、担当のジェニファー・ヒューズ医師と快気祝いを開くことができました。

協賛企業・団体

公益財団法人 結核予防会
結核研究所
www.jata.or.jp/
Riders for Health
www.riders.org
Treatment Action Group
www.treatmentactiongroup.org
TB Centre at LSHTM
tb.lshtm.ac.uk
TB Proof
www.tbproof.org
Holland KNCV Tuberculosis Foundation
www.tuberculose.nl
Centre de Recherche Medicales de Lambarene
www.cermel.org
RESULTS Canada
www.results-resultats.ca
Operation ASHA
www.opasha.org
Stop-TB Forum
www.stop-tb.de
Research Institute of Tuberculosis
www.jata.or.jp/
Arogyavaram Medical Centre
amc-arogyavaram.com
  • Phumeza takes TB Petition to World Health Assembly Delegates

    Phumeza Tisile, a former XDR-TB patient, takes the ‘Test Me, Treat Me’ Drug-Resistant TB Manifesto to the 67th World Health Assembly in Geneva, Switzerland. Over fifty-five people signed the petition that calls for urgent action to improve treatment for people living with drug-resistant tuberculosis (DR-TB). Phumeza makes an intervention on May 19th, during the WHA discussion on a resolution for a new global plan for TB. On May 21st, Phumeza hands over the petition signatures to Dr. Mario Raviglione, Director of the Global TB department at the World Health Organization. The petition is now closed.
  • TB & Me blogger becomes one of the first MSF patients in SA cured of XDR-TB

    In August 2013, after two years of highly intensive treatment for extensively drug resistant TB (XDR-TB), MSF patient Phumeza Tisile was diagnosed as clinically well (‘cured’), having had more than 5 consecutive negative sputum culture results in the last 12 months of treatment. Staff and patients celebrated her good news at Lizo Nobanda TB Care Centre, which MSF handed over to St John’s Hospice in July 2013.

    Phumeza was the first patient enrolled on MSF’s ‘Strengthened Regimen’ progamme which is being piloted within the well-established Decentralised Drug Resistant TB (DR-TB) Programme in Khayelitsha. Of the 22 patients enrolled to receive a tailored regimen (including linezolid) since July 2011, Phumeza is the first to be cured.

    Phumeza has blogged extensively about her experience with XDR-TB on MSF’s TB+ME blog: http://blogs.msf.org/tb/author/phumeza/ and was one of the authors of the TB Manifesto www.msfaccess.com/TBManifesto
  • TEST ME, TREAT ME: A Drug-Resistant Tuberculosis Manifesto

    People with drug-resistant TB and their medical providers worldwide call for urgent change in the treatment and diagnosis of DR-TB.

    Show your support for people living with MDR-TB, share their call for better treatment & tools, visit www.msfaccess.org/TBmanifesto
  • DRTB in the town of Mon

    In the mountainous region of Nagaland in North East India, MSF is working alongside the local and national authorities to provide treatment for patients with drug resistant TB in the town of Mon.
  • DR-TB Pills Animation

    How many pills does it take to treat one person with drug-resistant TB? We need better treatment now: www.msfaccess.org/tbmanifesto
  • Share in my Solitude: Living with drug-resistant TB

    In this photofilm, Happiness Dlamini talks about her experiences of living with the treatment for drug-resistant TB.

    Happiness, who has a four-year old daughter and an eleven-year old son, lives in the Shiselweni Region of Swaziland.

    In 2003 she discovered that she was HIV positive and last year she found out she also was infected with drug-resistant tuberculosis.

    She’s undergoing an arduous two year treatment course which requires her to take 15 pills each day as well as having a painful daily injection for the first six months of her treatment.

    Photos by Krisanne Johnson

    Show your support for people living with MDR-TB, share their call for better treatment & tools, visit www.msfaccess.org/TBmanifesto
  • Senzo’s Story

    Senzo is seven years old and lives alone with his grandmother in Mgazini, Matsanjeni Health Zone. He is HIV-positive and has been on treatment for multidrug-resistant tuberculosis (MDR-TB) at the clinic Our Lady of Sorrows in Matsanjeni Health Zone, Shiselweni Region, in Swaziland for just over five months.

    Learn more about Senzo, http://ow.ly/78Ph3

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  • Uzbekistan: A Mother With MDR-TB

    She had all but given up, thinking her TB was going to end her life. Her coffin had already been built. But then Rohatay Abdullaeva, a former nurse living in northwest Uzbekistan, learned she could get help, that she could heal.

    As World TB Day approaches, MSF celebrates her good health as a sign of what's possible, but also remembers the huge and growing numbers of people with TB and drug resistant TB who cannot get the help they need.

    Show your support for people living with MDR-TB, share their call for better treatment & tools, visit www.msfaccess.org/TBmanifesto
  • Final Frontier (3): Historic opportunity for a new treatment regimen

    An historic opportunity exists to tackle the escalating drug-resistant TB (DR-TB) public health emergency. Yet, the global response barely touches the surface of the problem. MSF works at the front-line of the DR-TB crisis in 21 countries around the world. 'The Final Frontier' shares our experience and learning in three areas. Watch the series to find out more.

MSFの結核プログラムに関する最新情報

どんな病気?

結核菌を原因とする感染症。感染者の10%程度は生涯のいずれかの時点で発症する。主に肺に影響を及ぼし、継続的な咳、発熱、体重減少、胸痛、息切れなどが症状として現れる。HIV感染者は発症率が高く、結核が主な死因となっている。

流行地域

世界各地。世界人口の3分の1が感染しており、毎年900万人以上が新たに発症、150万人が亡くなっているとみられる。

感染経路

咳やくしゃみで結核菌が空気中に広がる。

診断

痰(たん)を採取して検査をする。子どもからの採取には困難が伴う。新しい分子検査では結果が2時間で判明し、薬剤耐性についても調べられる。しかし、使用には安定した電力供給が必要で、費用も高い。

治療

単純性結核では、治療に6ヵ月を要する。一方、患者が第1選択薬のうち2種類に薬剤耐性をもっている"多剤耐性結核(MDR-TB)"の場合は、最長で2年間かかる。患者が第1・第2選択薬に薬剤耐性を持っている"超薬剤耐性結核(XDR-TB)"では、選択肢はさらに限られる。

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Tweet this 「検査と治療を受けたい」と願う薬剤耐性 #結核(DR-TB)の患者さんたち。「検査と治療を届けたい」と望む医師たち。治療環境の速やかな改善を求めています。#国境なき医師団(MSF)の結核マニフェストにご協力ください。www.msfaccess.org/TBManifesto
Tweet this 多剤耐性 #結核(MDR-TB)の患者さんが、治療のために飲み続けないといけない錠剤の数は、2年間で約2万錠……この事実を2万人に伝えるとしたら、どれぐらい大変なんだろう? #国境なき医師団  www.msfaccess.org/TBManifesto